紗倉まな「高専生だった私が出会った世界でたった一つの天職」 感想

現役AV女優の紗倉まなさん(「紗倉」という苗字が僕のパソコンでは「さくら」の予測変換で出ないので,ここからは紗倉まなさんのことを「彼女」,または「まなさん」と書かせてもらいます)が今月15日に出したエッセイ「高専生だった私が出会った世界でたった一つの天職」を読了したので,その感想を彼女へのエールとともに書いていこうかと思います.
タイトルにもあるように彼女は高専生だったのです.AVデビュー後にまなさんが高専生だということが発覚した時は,ちょっとした騒ぎでしたね.本の帯にはバカリズムさんが「そういうところが好きです」とコメントを寄せています.バカリズムさん以外に帯コメントを頼む人が思い当らなかった,と言う彼女.彼女にとって彼はそれほど信用に足る人物であるようです.また,発売されて間もないこの本ですが,人気はすさまじいようで...彼女本人もブログに驚きを表しています.
夢ではないのですね。:紗倉まなの工場萌え日記

さて,肝心の内容とその感想を書いていきたいと思います.本の構成は7章から成っています.

第1章 AV女優:紗倉まなになる前のお話
第2章 18歳、今日からAV女優の仲間入り
第3章 一流のAV女優になるために私が心がけていること
第4章 AV業界で起こった衝撃のエピソード
第5章 教えてまなちゃん!AV業界のあれこれ!
第6章 紗倉まなの思う恋愛と性のこと
第7章 生涯AV女優宣言

それぞれの章ごとに分けて書いていきましょうか.

第1章
まなさんがAVに興味を持ったきっかけが,父の書斎で見ていたAVであるというのは有名な話であると思いますが,この本はこの出来事を説明することから始まります.小中と女子校であったという彼女にとって男が女とまぐわうというのは衝撃なことで,新鮮だったのでしょうか.彼女はAVに出演していた女優さんの体に神秘性を感じたと言うのです.これについては,彼女自身変わっていると自覚していたらしいです.そして,時を経て,彼女は18歳のときAV女優になることを決意し,会社に応募をします.(彼女は面接でNGプレイというのは設定しなかったようです.ここからも彼女のAV女優への熱意が感じられます.)これで晴れて彼女は女優になることができました.しかし,AV女優の宿命,すなわち親バレが彼女を襲うのでした...なんてことは無く,まなさんはしっかりと説明することをはじめから決めていて,さらに彼女の母親はこれを受け止め,今ではまなさんを応援してくれているようです.

第2章
まなさんがデビューした時の心境をセキララに書かれています.面白かったのが,AV女優としてデビューしていたのが学校側にバレてしまったこと.彼女の図太いというか,呑気というか...そのような性格が読み取れるような内容になっています.気になるのはこの当時の同級生のこと.彼女に対してどのような見方をしていたのでしょうか.男子学生はやっぱり,変な考えを膨らませていたのでしょうか.

第3章
彼女の撮影に対する思いが書かれています.まなさんは初対面の人間に職業を聞かれるのがいやらしいです.というのはAV女優という職業を恥ずかしいものだと思っているものではなく,「股ユル女子」と思われるのが心底不快であるそうです.まぁAV女優と言ってプライベートでも同様に過ごしてはいませんでしょうからね.ただ僕は,知人にAV女優がいた場合,あぁこの人は「股ユル女子」なんだなぁとは思っちゃいますけどね,まなさんには申し訳ないけど.これが現在の世間一般の,差別でもなく,極めて標準的な反応でしょう.
また,まなさんはインターネットのレビューもチェックしているらしいです.AVのレビューは見る方にとっても出る方にとっても大いに参考になるということですね.

第4章
この章は僕にとってはあまり魅力的ではなかったです.彼女の下の毛の処理の話等々はこの本に求めていることではないですかね.AV女優としてではなくまなさん本人について知りたかったのですのでね.彼女がAVの撮影で起こった面白い出来事について教えてくれます.

第5章
AV業界の"裏"が書かれているわけではなく(そんなものは無いのでしょう.),彼女がAV業界がどのようなものであるか語ってくれます.デビューを目指している女性には参考になるかもしれません(男性にも?).
紗倉まなという芸名はメーカーが付けたそうですね.彼女のふんわりとした女性らしさにとてもよく似合っている名前だと思います.

第6章
彼女の恋愛観についてですね.彼女はAV女優としての彼女も応援してくれる男性を求めています.ただ,彼女は次の章で結婚願望は全く無いと書いていますので,この場合の男性とは結婚を考えるような人物ではなく癒しを与えてくれるような人物のことを指すのでしょう.そう考えると職業を応援してくれるというのは,当たり前の条件となるんでしょうか.また,「AVについて関心も知識もない人だと更に安心」とも書かれていますが,そこは違うでしょう,と僕は思います.そういった男性だと何か味気ない関係になってしまいそうです.この章は彼女の考え方が見れてとても面白いです.

第7章
まなさんのAV女優としてのこれまでの3年間と,これからの意気込みが書かれています.

また,巻末に紗倉まなが選ぶ思い出の出演タイトルと題して6つのこれまで出してきたタイトルが並べられています.

全体的な感想としては,彼女を知るという目的に合致した本であったと思います.ただ,彼女はtwitter等でよく"(白目)"といった言葉を使われますが,この本の中にもこのような表現が登場します.僕としてはこういったカッコの中に状態を表す,ネットスラングのようなものは活字に著してほしくなかったです.これは内容とは全く関係ないのですけれども.これはきっと僕がこの本を彼女のtwitter,ブログと切り離して読んでいたからでしょう.

また,お恥ずかしながら僕は,検索すればすぐ見ることのできる状況下であるのに彼女の作品は見たことがないのです.しかし,作品を見たことがない方が見ても楽しめる本だと思います.

章ごとに分けて紹介しましたが,これでも本全体の内容の1,2割ぐらいしか書けていないので,まなさんへの応援の意味も込めて,ぜひこの本を買って読んでみてください.きっと楽しく,愉快な気持ちになれますよ.そして彼女をこれからも応援していきましょう!

ポケモンAS殿堂入りしました.

殿堂入りして,エピソードデルタもクリアしたので感想.
殿堂入り前までのお話はよかったです.リメイクという観点からみればとても良いものだと思います.
そして,殿堂入りをすると急にエピソードデルタとかいって変な話が唐突に始まるんですが,これがサイアク.
謎かつ,無駄な要素となっています.ヒガナがムチャクチャ言っててとってもイライラしました.
ポケモンのストーリーでこんなにイライラしたのははじめてですよ.しかもエピソードデルタ中で主人公がやることは空を飛ぶでダイゴに言われたところへ出向くだけですからね.キーストーンとられたミツルやお隣さんは何もせずに家で主人公待つって,そんなはずないでしょう.とられた後にストーリーに出すべきだったはず.話が壮大な割に,テンポが最悪です.お使い頼まれたような感覚でした.強制なのでつらかったです.これから出るZ(?)の関係上どうしても3000年前の古代の昔話をユーザーに聞かせる必要があったんでしょうが,もうちょっとなんとかなったでしょう,と思います.

The Helmholtz Theorem

Helmholtzの定理とはあるベクトル場の発散と回転の持つ値が特定されれば,もとのベクトル場の性質も同時にわかるという定理.
以下のものは4ページほどで,間違いがあったら指摘してください.僕は深い理解はしていないので.

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参考にしたのは,griffithsの電磁気学

残念ながら和訳はありませんが,これを教科書にしている大学の講義ノートなどは読む際に役に立つかもしれません.
たとえば,東京理科大学電磁気学2
http://www.rs.kagu.tus.ac.jp/nikuni/elemag.htmlにはいくつかのチャプターを元にして講義ノートが作られています.
また,griffithsで理解できなかったところを補うために,以下のpdfファイルも参考にしました.
http://young.physics.ucsc.edu/110A/helmholtz.pdf

微分形式とはなんぞや

最近あまりブログを書けていませんでした.

さて,こないだ微分形式(の使い方)を少し学んでみたので熱力学のマクスウェルの関係式を{\displaystyle TdS=dU+pdV}の外微分をとって導いてたりしました.使い方しか理解していないので,原理を理解していないのに使うのは申し訳なさを感じて情けなくなるのですが,便利なものは身につけておきたいのです.それはそうとマクスウェル関係式はルジャンドル変換を使って相互に導けるらしいですね.僕はまだルジャンドル変換はよく知らないのですが,微分形式と関係あるのでしょうか.

微分形式の学習に使った本はこれです.本当に使い方だけしか書いていません.ベクトル解析の部分は読まなくていいでしょう.

そのうち微分幾何などなどを勉強してしっかりと理解しておきたいですね.微分形式,奥が深そう.

変分法と電磁気学

次のV内の積分
\[ I = {\iiint}_V \left[\left({\dfrac{\partial \phi}{\partial x}}\right)^2+\left({\dfrac{\partial \phi}{\partial y}}\right)^2+ \left({\dfrac{\partial \phi}{\partial z}}\right)^2\right]dx dy dz
\]
を極小にする関数\displaystyle{\phi}を求める.
積分内の式は\displaystyle{(x,y,z,{\phi}_x,{\phi}_y,{\phi}_z)}の関数で(ただし\displaystyle{\phi}\displaystyle{x}での偏微分\displaystyle{{\phi}_x}と表した),変分法を使って求めてみる.
積分内の関数を\displaystyle{f(x,y,z,{\phi}_x,{\phi}_y,{\phi}_z)}とすると独立変数が3つで,このときのオイラー方程式を求めてみると,
\[ \dfrac{\partial \ }{\partial x} \left(\dfrac{\partial f}{\partial {\phi}_x}\right)+ \dfrac{\partial \ }{\partial y} \left(\dfrac{\partial f}{\partial {\phi}_y}\right)+ \dfrac{\partial \ }{\partial z} \left(\dfrac{\partial f}{\partial {\phi}_z}\right) = 0
\]
ここに\displaystyle{f(x,y,z,{\phi}_x,{\phi}_y,{\phi}_z) = \left({\dfrac{\partial \phi}{\partial x}}\right)^2+ \left({\dfrac{\partial \phi}{\partial y}}\right)^2+ \left({\dfrac{\partial \phi}{\partial z}}\right)^2}を代入してやると,次のような式を得る.
\[ \dfrac{{\partial}^2 \phi}{\partial x^2}+ \dfrac{{\partial}^2 \phi}{\partial y^2}+\dfrac{{\partial}^2 \phi}{\partial z^2}
=0
\]
さて,この偏微分方程式を解けば求めたい関数\displaystyle{\phi}が得られることがわかった.すこし電磁気学との関連を調べてみる.

はじめの積分の式において\displaystyle{\phi}を静電ポテンシャルとすれば,それは電場のエネルギーを表していることになる(\displaystyle{\dfrac{1}{2}\varepsilon}の係数は,現れていないが,それは定数のため今は特に考える必要がない).
そう考えるとこの問題は電場のエネルギーを小さくするための静電ポテンシャル\displaystyle{\phi}が満たす方程式は何かという問題になる.ところで得られた結果はラプラス方程式である.すなわち電場のエネルギーを最小にするときには,考えている領域Vに電荷密度は存在しないことがわかった.

球Bessel関数

球Bessel関数{\displaystyle j_l(x)}

\[j_l(x) = \sqrt{ \frac{\pi}{2x} } J_{l+ \frac{1}{2}}(x)
\]

で定義する.ただしここで{\displaystyle J_n(x)}はBessel関数で次の無限級数であらわされる.

\[J_n(x) = \sum_{m=0}^{\infty} \frac {(-1)^m} {m!(n+m)!} { \left(\frac{x}{2} \right) }^{n+2m}
\]

球Bessel関数の次の性質を証明することを考える.

\[ j_l(x) = (-x)^l {\left(\frac{1}{x} \frac{d}{dx} \right)}^l \left(\frac{\sin x}{x} \right)
\]

まず,{\displaystyle \varGamma}関数を次のように定義する.

\[ \varGamma(x) = \int_0^{\infty} e^{-t} t^{x-1} \,dt
\]

{\displaystyle \varGamma}関数の性質として以下のことが部分積分法によりすぐに証明できる.

\[ x \varGamma(x) = \varGamma (x+1)
\]これより,
\[\varGamma(n+1) = n!
\]がわかる.

最初に次の等式を証明する.この式を(1)とする.
\begin{equation}
J_{\frac{1}{2}}(x) = \sqrt{\frac {2} {\pi x}} \sin x
\end{equation}
[証明]
Bessel関数は\varGamma関数を使って次のように表すことが可能.
\[ J_{\frac{1}{2}}(x) = \sum_{m=0}^{\infty} \frac {(-1)^m} {m! \varGamma(m+ \frac{3}{2})} {\left(\frac{x}{2} \right)}^{2m+\frac{x}{2}}
\]
\varGamma関数の倍数公式によって
\begin{align}
\varGamma(m+\frac{3}{2}) &= \frac {\varGamma(2m+3)} {\varGamma(m+2)} \frac {\sqrt{\pi}} {2^{2m+2}} \notag \\
&= \frac {(2m+2)! \sqrt{\pi}} {2^{2m+2} (m+1)!} \notag
\end{align}
とできるのでJ_{\frac{1}{2}}の式に代入して,
\begin{align}
J_{\frac{1}{2}} &= \sqrt{\frac{2}{\pi x}} \sum_{m=0}^{\infty} \frac{(-1)^m}{(2m+1)!} x^{2m+1} \notag \\
&= \sqrt{\frac{2}{\pi x}} \sin x \notag
\end{align}
これより(1)式の証明ができた.

次に以下の等式を証明する.これを(2)式とする.
\begin{equation}
x^{-(\xi+n)}J_{\xi+n}(x) = (-1)^n {\left[ \frac{1}{x} \frac{d}{dx} \right]}^n \{x^{-\xi} J_\xi (x) \}
\end{equation}
[証明]

Bessel関数の加法定理
\[ J_n(x+y) = \sum_{m=-\infty}^{\infty} J_m(x) J_{n-m}(y)
\]
を項別微分して次の結果を得ることができる.
\[ 2{J_\xi}'(x) = J_{\xi-1}(x) - J_{\xi+1}(x)(x)
\]
これより
\begin{align}
x^{-(\xi+1)}J_{\xi+1}(x) &= \xi x^{-(\xi+2)}J_\xi(x) - x^{-(\xi+1)}J_\xi'(x) \notag \\
&=-\frac{1}{x} \frac{d}{dx} [x^{-\xi}J_\xi(x)] \notag
\end{align}

\xi\xi+1としてやって,
\begin{align}
x^{-(\xi+2)}J_{\xi+2}(x) &= (\xi+1)x^{-(\xi+3)}J_{\xi+1}(x) - x^{-(\xi+2)}J_{\xi+1}'(x) \notag \\
&=(-1)^2 {\left(\frac{1}{x} \frac{d}{dx} \right)}^2 \left[x^{-\xi}J_\xi(x) \right] \notag
\end{align}
この操作を繰り返して(2)式が証明される.

(2)式より,
\[ J_{l+\frac{1}{2}}(x) = x^{l+\frac{1}{2}} (-1)^l {\left(\frac{1}{x} \frac{d}{dx} \right)}^l [x^{-\frac{1}{2}} J_{\frac{1}{2}}(x)]
\]
(1)式の結果を代入して,
\[
J_{l+\frac{1}{2}}(x) = \sqrt{\frac{2x}{\pi}} (-x)^l {\left(\frac{1}{x} \frac{d}{dx} \right)}^l \left[\frac{\sin x}{x} \right]
\]
これを球Bessel関数の定義式に代入すれば,
\[ j_l(x) = (-x)^l {\left(\frac{1}{x} \frac{d}{dx} \right)}^l \left(\frac{\sin x}{x} \right)
\]
が得られる.

数式書く練習に書いてみました.
間違っているかもしれません.Neumann関数を使って表す球ベッセル関数n_l(x)もこのようにして三角関数で表すことができると思います.